入院手記まとめ(後編)【甲状腺内視鏡手術】

手記後編です。

今後手術を受ける方がイメージしやすいように、より詳細に書いています。

(やたら長くなりました、すみません)

需要があるかはわかりませんが、自分は他の患者さんのブログで相当イメージトレーニングしたので...笑

 

 

 

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【術後当日】

「XXさん、終わりましたよ」と声をかけられて目が覚める。

思っていたより寝覚め(?)は良く、(よく寝た!!)という感覚。

ただ頭が回っていなくて、自分が何をしていたのか数秒思い出せなかった。

 

手術が終わったのだと正確に認識できた頃、

看護師さんに「気分は悪くないか」と聞かれ

車酔いの時のような気持ち悪さを自覚する。

申告すると、「ごめんね、今から移動するからちょっと我慢してね」と言われ

気持ちが悪い状態のまま、ベッドに移され病室に戻される。

(この時点で吐き気止めが入っていたか分からないものの、少なくとも効いてはない)

 

病室に戻り、自分の状況を把握する。

時刻は17時半、手術には3時間弱かかったようだった。

左手に点滴、首元にドレーン(傷口から血などの廃液を排出するための管)、尿道カテーテル、口元に酸素マスクがついている。

とてもじゃないけど動ける状態ではない。

物理的には可能かもしれないが、管が抜けたら怖いし身体がだるくて動く気にもならない。

ドレーンの廃液が溜まったものが胸元に置かれていた。

裸に浴衣を直接着ているので、溜まった廃液の生温かさを直に感じる。

肌に伝わる温度から、自分が生きているということをまざまざと実感した。

 

 

術後6時間までは水も飲めないから、ここからが堪え所だ、と覚悟を決める。

痛みは強くないものの、不快感や動けないことから、熟睡することは難しい。

 

朦朧としながらも看護師さんにお願いして

イヤホンを挿したスマホを右手に、ナースコールを左手に握らせてもらう。

自分の好きな音楽を再生して、なんとか苦しさから意識を逸らせる。

 

途中、定期的に看護師さんが来て、

点滴の交換や溜まった廃液の処理、温かいタオルでの身体の清浄などをしてくれる。

その度に目が覚めるので、浅く短い眠りと覚醒を繰り返した。

 

そうこうしているうちに6時間が経過した。

看護師さんに水を飲むか聞かれ、即答でお願いする。

ベッドを起こしてもらい、コップからストローで水を飲ませてもらう。

23時間ぶりに口にした水は、人生で一番おいしく感じた。

ついでに酸素マスクもとってもらえたので不快感が1つ軽減した。

 

【術後1日目】

朝を迎えた。尿道カテーテルが抜けるそうだ。

看護師さんに「抜く時は痛いですか?」と聞くと

「そうでもないはず」との返答だったが、しっかり痛かった。

咽頭ファイバースコープの次に痛い。

(「お姉さんは尿道に管を入れた経験はありますか?その上での返答でしたか?」

と聞いてみたくなったがセクハラになりかねないので自制した。)

 

カテーテルがなくなったことで歩けるようになった。

17時間ぶりに立ち上がると傷が痛くて驚いた。

入院前は基本毎日出社していたが、

退院してすぐその日々に戻るのは難しいのではないかと感じた。

幸い、私の仕事はリモートワークが可能なので

退院後はしばらくリモート多めにさせてもらおうと思った。

 

点滴が終わり、管が抜かれた。

朝8時、38時間ぶりに口から栄養を摂る。

朝ごはんは主食こそ粥だったものの、おかずが結構ボリューミーで驚く。

(これは『食わねば回復しないぞ』というメッセージなのか?)と思い

頑張って8割ほど食べた。

しかし下膳の際に看護師さんに「こんなに食べられたんですね!」と驚かれたので

標準ノルマではなかったらしい。

傷が痛むので食後に痛み止めをもらった。

 

数時間後、耳鼻科の診察へ。

ドレーンは抜けていないので、ポシェットのようなものを首から下げて

廃液を入れて歩いて向かう。

咽頭ファイバースコープでの検査はやはり痛くて涙が出る。

覚悟して臨むのに毎回想像を超えた痛みを感じるのが辛い。

 

検査結果は良好で、声に問題はないらしい。

一番恐れていた後遺症は声に関するものだったので安心した。

 

部屋に戻ると内分泌外科の先生が診察に来た。

廃液が少なかったらしく、ドレーンを抜くことになった。

予想よりずっと早くて驚いた。

ドレーンが刺さってた時はガーゼで覆われていたし、

抜いてからはテープを貼ったので傷を直接目にすることは無かった。

「次の日まで様子を見たら、明後日にはもう退院でいいですよ」と言われる。

トントン拍子だ。

 

その後はひたすら暇だった。

微熱があり、身体がだるいのでぼんやりしながら漫画を読んで1日が過ぎた。

動くと傷が痛むのでベッドの上で大人しくしていた。

誰かに首を絞められているような違和感と、皮膚をはがした部分の感覚の麻痺を感じた。

(内視鏡手術は鎖骨の数cm下から首まで皮膚を剝がすので

従来法に比べ感覚が麻痺する範囲が広いらしい)

 

↓参考程度に傷の画像を貼るので、苦手な方はご注意を。

テープで見えないので大丈夫かとは思いますが

 

 

参考画像:傷口の位置。ぼかしていないエリアが麻痺部分



【術後2日目】

食事が粥から普通の米飯になった。

シャワーの予約が取れたので昼前に浴びる。

動かし方によっては傷が痛むが、ロキソニンで対処できる程度。

首元の違和感は変わらず、少々微熱もあり身体もなんとなくだるいがその程度。

 

先生から明日には退院できると言われた。

術後に熱が出るのは普通なので、微熱程度なら退院に支障はないらしい。

 

【術後3日目・退院日】

朝、偉い先生を筆頭に内分泌外科の先生たちが回診に来た。

「声も出ているし、腫れてもいない、術後の経過は良好」とのこと。

質問があるか聞かれたので

「首が締められているような感覚は、いつかなくなりますか?」と聞いたところ

「徐々に良くなるが数か月、数年単位になる。ストレッチを積極的に取り入れてほしい」とのこと。

いつか治ると分かり安心した。

 

挿管で口内に大きめの口内炎が出来ていたので、

口内炎の薬と痛み止めを処方してもらい退院した。

 

5日ほどしか入院していないのに、外は温かくなっていて驚いた。

入院手記まとめ(前編)【甲状腺内視鏡手術】

 

私が内視鏡による甲状腺摘出手術について調べた際、

患者視点で詳細に記載しているサイトが見当たらなかったので

入院生活の流れや感じたことについて、手術前後に分けてざっくり書いてみます。

 

書いた後に、感性が独特で参考にならないかもしれないと思いましたが

まあ...まったく情報が無いよりはマシですよね!

 

 

【ざっくり情報まとめ】

・20代半ば女性

・既往歴無し

・2023年2月末に内視鏡による甲状腺左葉の摘出手術

・術後3日で退院、先生曰く術後の経過が良好な例

・余談ですが、学生時代に医療系の専攻にいたので好奇心強めです

(勉強不足すぎて胸を張れませんが笑)

 

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【手術2日前】

祝日の関係で手術2日前に入院(通常は前日らしい)

午前中にPCRを受け、昼過ぎに陰性が証明されたため入院手続き。

やったことは

身長・体重の計測、足首の長さの計測(手術時に履く弾性ストッキングのサイズの参考にするらしい)、薬剤師さんとの服用薬の確認、レントゲン撮影、麻酔科の受診など。

 

全身麻酔は初めてなので緊張しつつも、初めて聞く話が多く面白い。

つい、いつものクセで必要情報以外にもパンフレットの隅々まで目を通してしまう。

子供の手術には吸入麻酔薬を使用するが、においをごまかすためにマスクにフレーバーをつけるらしい。バニラ・イチゴ・オレンジ・メロンの4種があり好みのものを選べるとのこと。

(どの程度麻酔薬のにおいが誤魔化せるんだろう。むしろ混ざって謎の匂いになったりしないんだろうか)、など余計なことを考えていた。

ちなみに大人は点滴なのでフレーバーを選ぶ機会が無い。残念。

 

 

受診を終えるとやることがなく、病室でひたすら漫画を読みふけっていた。

22時消灯だが21時には電気を暗くするように、とのこと。

普段22時は残業している時間なので、慣れない環境も相まって全く寝付けなかった。

1泊7700円課金して4人部屋に入院したのだが、周りの患者さんはとても静かで、自分が寝返りを打つたびに、シーツの擦れる音やベッドが軋む音を大きく感じた。

 

【手術1日前】

主治医による術前説明。実家から母に来てもらい同席してもらった。

術式の他、後遺症などについて説明があったが、私はセカンドオピニオンで聞きつくしていたし、母にもあらかた事前に話していたので、特に問題はなく説明が終わった。

 

私が先生に「摘出した甲状腺は自分で目にすることはできますか?写真で良いので見たいです。」とお願いすると、「そういう患者さんも結構いますよ」と快諾してもらえた。生きているうちに自分の臓器を目にすることが出来る人間なんて、そうそういないのでせっかくの機会を活かしたい。そう話すと、母が隣で「全くこの子は...」と呆れていた。

 

術前説明が終わると特にやることがない。ベッドの上でひたすら漫画とアニメを楽しみ続けた。余談だが手術前日に読むフラジャイル(医療系の漫画)は気分が重くなるので精神衛生上あまりよろしくなかった。

18時に夕食。次の日が手術なので21時以降は食べることが出来ず、24時以降は水分を摂ることが出来ない。

前日同様、寝付けないことが予想されたので看護師さんにお願いして睡眠薬をもらった。おかげですっきり熟睡。

 

【手術当日】

セカンドオピニオンの時の偉い先生や主治医、他の先生など白衣の集団による回診があった。(前日だったかも...記憶があやふや笑)

先生から研修中の学生に首元を触らせてもいいかと聞かれ快諾。

個人的には「学生さんの勉強になるなら、私の甲状腺なんていくらでも触ってくださいよ!もっと硬さとかグッと確かめなくて大丈夫ですか??」という気持ちだったが、口にすると変人っぽいのでやめておいた。

 

手術は午後になるとのこと。のどの渇きと空腹がひどいので、旧劇場版エヴァンゲリオン(結構グロテスクなシーンがある作品)を見ることで食欲をごまかしていた。(万人は向かない作戦だが個人的には効果があった)

 

昼過ぎ。呼ばれたので手術着に着替え、弾性ストッキングを履き、看護師さんと共に手術室へ。台に寝かされ、主治医・麻酔科医・看護師等様々な人から声をかけられる。

「緊張していますか?」と看護師さんが柔らかい微笑みを浮かべて問いかけてきたので、強く頷く。

タオル1枚で色んな人に囲まれてるし、今から首元を切り開かれるのだから、このシチュエーションで緊張しない人は余程の強心臓だ。

 

諸々の手順を踏んで全身麻酔

(麻酔が効かなかったらどうしよう)と一瞬不安に思ったが杞憂だった。

薬を点滴で入れると、数秒で視界がぼんやりし始めて

(すごい!アニメや漫画の失神シーンみたいだ!本当にこうなるんだ!)という馬鹿な感想を抱いた。

 

(それにしても麻酔薬を開発した過去の研究者には頭が上がらないな。

うろ覚えだけど、江戸時代に初めて全身麻酔の外科手術を成功させた華岡青洲は、奥様とお母様を実験の犠牲にしたとか大学で習ったし。

過去の数多の先人の努力と覚悟と犠牲があるからこそ、今の私は無痛で手術を受けられるわけで、ありがたい話だよなぁ...)などと雑念を抱いているうちに意識が遠のいた。

ありがとう華岡さん。現代の麻酔薬、邪念の塊のわたしにも効き目は抜群です...。

 

→後編に続く

入院時の持ち物リスト・準備して良かったもの【甲状腺半摘出手術】

私は入院時、様々な方ののブログや、Twitterで教えて頂いた情報等をもとに持ち物リストを作成しました。

(ご協力いただいた皆さんありがとうございました!!!)

 

入院時の感想を踏まえ、アップデートした最終版リストをここで共有します。

甲状腺の摘出手術を予定されている方の参考になれば幸いです。

*1

 

 

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【必需品】

手続き支払いに必要なもの

 財布、クレジットカード、

 印鑑、筆記用具、ファイル(意外と書類を多く受け取ります)

 診察券、保険証、普段飲んでいる薬、お薬手帳

 (必要な場合)高額医療制度の証明書、生命保険の診断書

生活に必要なもの

 下着、マスク、(眼鏡)、(生理用品)、かかとの覆われた靴

 紙コップ、水(私が入院した病院は飲み物が提供されませんでした)

 レンタルセット(バスタオル、タオル、寝巻き、歯ブラシ、コップ、リンスインシャンプー、ボディソープ、ティッシュ)

    洗顔料、保湿系アイテム

       私は1日550円のレンタルセットを利用しました。セット内容は上記でした。

  術後は洗濯する気も起きなかったので利用して良かったです。

【あって良かったもの・あったら良かったもの】

食べもの

  • ふりかけ  :術後の粥食に混ぜご飯の素が大活躍しました。
  • のど飴   :術後は喉がイガイガしていて龍角散のど飴を舐め続けていました。

日用品

  • サボリーノ目覚まシート:

   普段からの愛用品です笑 洗顔と保湿がシートを60秒貼るだけで済むので楽でした。

  • 保湿力の高いフェイスクリーム・リップクリーム:

   病院は乾燥しているので高保湿クリームが大活躍でした

         (サボリーノのみでは保湿力不足です...) 

   Amazonのセールで安かったです。

   病院の廊下は明るいので暗くないと眠れない人におすすめです。

  • 喉ぬーる濡れマスク:

   術後は喉がイガイガしているし、部屋が乾燥しているので、あって良かったです。

  • 羽織るためのパーカー、エコバッグ:

   院内のコンビニや診察に行く時使いました。

  • 綿棒

   不要かと思っていましたが、口内炎の薬を塗るのにあれば良かったと思いました。

   手術の際の挿管で口内が傷つき口内炎ができて、薬を処方していただいたので...

 

暇つぶし

  • 延長コード、各種充電器:

    ベッドから壁まで結構距離があったのであって良かったです。

              お見舞い不可なので暇潰しは入念に準備しました笑

              このためにネトフリに新たに加入しましたが、

    正直アマプラだけでも十分に時間が潰せたと思います。 

    後述しますが、見たいコンテンツは事前ダウンロード必須です。

 

    余談ですが遠くに住む友達が、お見舞いがわりにと

    私好みの漫画を10冊ほど電子書籍でプレゼントしてくれたので

    良い暇つぶしになりました。

    素晴らしい友人を持てたことと便利な時代になったことの双方に感謝しました。

    いつか誰かにお見舞いを送る時は私も電子データを検討します。

        

  • イヤホン

    術後には6時間安静にしないといけない魔の時間があります。

    酸素マスク、安定剤の点滴、首からのドレーン(傷口から血を出す管)、尿道バルーンが繋がり動きづらく、点滴の替えが頻繁にあるので熟睡できる環境でもありません。

    そこで自分は術前に、充電したスマホとイヤホンをわかりやすい位置に配置し

    術後に部屋に戻った時にすぐ看護師さんにお願いして、

    利き手にイヤホンを挿したスマホを握らせてもらい、

    Spotifyで音楽を聴くことで魔の時間を乗り越えました笑

    麻酔で朦朧としながら、部屋に戻って即座にスマホを操作する私は看護師さんには重度のスマホ依存症に見えたと思います笑 

【準備したけど無くても良かったもの】

     レンタルしましたが、院内にそこそこ繫がる無料Wi-fiがあったことや、

     モバイルWi-Fiが動画視聴やダウンロードに耐えられない強さだったことから

     無くても良かったかと思います。

     なお、院内にWi-Fiがなければ借りる価値は十分あるかと...。

     ちなみに自分はWiFiレンタルどっとこむのLINE友達特典を使用し

     補償・送料込みで7泊8日4339円で借りました。ご参考までに。

  • ティーバッグ:
           給湯室が遠かったのでお湯を沸かすのが面倒で使いませんでした笑  
  • 仕事に関する本:

     ビジネス書を持って行きましたが全く読む気になりませんでした笑

     休みは休むためにあります!!!!!

  • 身体を拭くシート:

     私は術後15時間でドレーンが抜けたので、風呂に入れない日は実質2日のみでした。

     看護師さんが身体を拭くための温かいタオルを提供してくださいましたし、

     (価値観によりますが)、自分はその程度なら平気なので無くても大丈夫でした。

  

以上です。補足があれば追記します。

 

*1:病院・症例によって差はあると思うのであくまで目安に!

10ヶ月の病院選びと手術を終えて、術後10日目の今思うこと

この1年、正直キツかったです!なんならまだ過去形じゃないかも。

大きな病気は初めてだし、東京にも会社にも慣れてなくて、ゼロからのスタートでした。

 

手術の術式も、医療費や保険の制度のことも、世の中に全室個室のリッチな病院が存在することも()自分で調べなければ分からなかったし初めて知ることばかりでした。

新入社員で、仕事にも慣れていないから上手くこなせなくて、働くだけでも精一杯な毎日の中で、色々動き続けるのは大変でした。

定時後に職場の下まで保険会社の人に来てもらって、加入している保険の手続きや条件を聞いて、それから職場に戻って23時まで残業なんて日も

我ながらよく頑張ったと思います!笑

 

 

そして術後10日目の今は正直なところ「本当に手術を選択したのは正解だったのか?」と考えてしまうことがあります。

傷は塞がってないし、姿勢によっては皮膚が張って痛いし、首が締めつけられてる感じがして息苦しいです。また、甲状腺の機能が低下したのか、体温が低い状態が続いているし、身体が疲れやすくなったような気もします。仕事に復帰したものの、身体がついてきていない実感もあります。

 

後遺症や術後の症例については調べ尽くしていて、覚悟を決めていたはずなのにそれでも辛いものがあります。この先どこまでが回復したり薬で対処出来る症状なのか、不安だらけです。

 

でもこの1年で私が決めてきたことは、1つ1つが納得した上での決断だったので、不安はあれど後悔はありません。

 

いつかきっと「あの時は大変だったね」と笑える日が来ると、今は信じて検査結果を待ちます。

 

甲状腺の手術までに10ヶ月かかった話(後編・病院選び)【甲状腺濾胞性腫瘍】

注意:以下はあくまで素人の雑談なので専門的な情報は然るべきソースから入手してください。

 

【結論:反省点まとめ】

1.健康診断で要精密検査と言われたら結果が届くのを待たずに受診する(前編)

2.受診時は専門のクリニックを選ぶ(中編)

3.手術等で懸念があれば先生に積極的に聞く(後編)

 

【記事概要】

前編→腫瘍が見つかるまで(1軒目)

中編→手術の提案(2軒目)

後編→病院選び(3・4軒目)

の流れで更新します。

時系列としては下図のような感じです

(手描きなので読みづらく、すみません)

 

時系列

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【後編:病院選び】

  • 3軒目(7月下旬-9月上旬・甲状腺専門病院)

7月下旬、総合病院の耳鼻科で CTの結果を聞き、紹介状を受け取って甲状腺の専門病院へ行きました。この病院でも再び採血と超音波の検査を行いました。

また、後日に穿刺吸引細胞診という、腫瘍に針を刺して細胞を取る検査と造影剤CTの検査をすることになりました。

 

私は最初から手術希望と伝えて来ていたので、穿刺吸引細胞診のみ追加ですぐに入院予約ができるかと思っていたのですが、そうはいきませんでした。

全ての検査を終えねば入院や手術の予約はできないとのことで、受診と検査結果が出揃うまでに2ヶ月強かかりました。また、この病院は人気であることと、私は急ぐ症例ではないため、9月に結果が出揃っても入院は年明けになるとのことでした。

 

  • 術式の模索(9月上旬-)

検査を受け結果を待つ2ヶ月間、私はある病院のHP内視鏡を用いた甲状腺の手術の存在を知りました。

その術式では人から見えない位置に傷ができる上に、数年前に良性も悪性も保険診療になったとのことで強く興味を持ちました。

しかしサイト上に甲状腺乳頭癌については書いてあるものの、濾胞性腫瘍については記載がなかったため、自分が対象となり得るかがよく分かりませんでした。

 

そのため9月に検査結果が出揃ったタイミングで、先生に「内視鏡手術が気になっている」と伝えたところ「この病院では行っていない。特別な設備や条件が揃っている必要があるため、都内でも数ヶ所の病院しか対応していない。希望するのであれば、紹介して転院することになる。」との返答でした。

 

 

3つ目の反省はここです。私がもっと早く「傷跡が残ることを気にしている」と伝えられていたら、より早く先生からこの術式について教えてもらうことも出来たかもしれない、というところです。(確証はありませんが)

素人がネット検索するだけでは、手術に対応している病院がそんなに数が少ないということも、どの病院なら受けることが可能なのかも知ることが出来ませんでした。

情報源が先生しかない以上、気になることがあれば(先生が質問しづらい雰囲気でも)積極的に聞くべきだった、と今になっては思います。

 

 

話を本題に戻します。

結局私はセカンドオピニオンを受けることにしました。

内視鏡手術が適応されない例であると言われた場合は、甲状腺専門病院で従来の方法で手術を受けようと思ったからです。

 

先生には紹介先の病院を2つ提案されたのですが、調べたところ片方は全室個室の133,000~であり新卒の自分には負担が重かったので、もう片方の選択肢である大学病院に紹介状を書いてもらうことにしました。

 

 

専門病院の方に「セカンドオピニオンの宛先はどうするか」と聞かれた際、「私には分からないので適当な良い先生を指定してほしい」とお伝えしました。その結果、その大学病院の中でも偉い先生を指定していただけたようで、セカンドオピニオンの予約が取れたのは11月上旬でした。

 

 

  • 4軒目(11月頭-現在)

11月上旬、セカンドオピニオンの相談費44,000円を握りしめて大学病院を訪ねました。(セカンドオピニオンの相談料は保険が効かず自費なので、新卒には痛い出費でした。。。)

相談したところ、自分の症例の場合は内視鏡手術を受けることが可能で2-3月には予約できるとのことでした。

他にも聞きたいことも全て質問し、納得することができたので最終的に私はこの大学病院で手術を受けることに決めました。

 

そして手術を受け現在に至ります。

 

 

甲状腺の手術までに10ヶ月かかった話(中編)【甲状腺濾胞性腫瘍】

注意:以下はあくまで素人の雑談なので専門的な情報は然るべきソースから入手してください。

 

【結論:反省点まとめ】

1.健康診断で要精密検査と言われたら結果が届くのを待たずに受診する(前編)

2.受診時は専門のクリニックを選ぶ(中編)

3.手術等で懸念があれば先生に積極的に聞く(後編)

 

【記事概要】

前編→腫瘍が見つかるまで(1軒目)

中編→手術の提案(2軒目)

後編→病院選び(3・4軒目)

の流れで更新します。

時系列としては下図のような感じです

(手描きなので読みづらく、すみません)

時系列

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【中編:手術の提案】

  • 2軒目(6月中旬-7月中旬・近所の総合病院)

6月中旬に、内科のクリニックから紹介され 総合病院の耳鼻科を受診しました。

紹介状を持って行きましたが腫瘍マーカーなどの情報が無いとのことで、再び採血することになりました。

先生には「どうして最初に内科を受診したのか。甲状腺なら耳鼻咽喉科だ。」と言われました。

 

2つ目の反省点はここです。

最初から耳鼻咽喉科にかかっていたら、1軒目から2軒目へ移る時の時間や検査や紹介料の無駄が省けたかもしれません。腫瘍があることを一切想定していなかったとはいえ、健康診断後に深く考えず適当な医療機関を受診したことを今では反省しています。

 

検査の話に戻ります。

この時、採血に加え咽頭ファイバーでの検査を行いました。

 

(余談ですが、私はこの検査が甲状腺関係の検査の中で一番痛かったです。

麻酔をかけて鼻からカメラを入れるのですが、本当に麻酔が効いているか疑いたくなるほど痛いです。反射なのか、検査の間はカメラを入れた側の目から涙が溢れ続けました。)

 

検査の結果、先生から手術を提案されました。話を簡単にまとめると以下の内容でした。

 

・私の甲状腺にある腫瘍は、摘出しなければ良性か悪性か判断できない。また大きさが2.5cmと小さくはないため、経過観察以外にも甲状腺を半分摘出する手術を提案する。

 

・腫瘍はほぼ良性と思われ、悪性の可能性はかなり低い

 

・悪性だった場合でも、私の腫瘍は進行が遅いタイプであるため急ぐ話ではない。

 

・手術しない場合、今後もずっと経過観察が必要である。しかし20代半ばであることを考えると、症状も無い甲状腺の経過観察にはそのうち来なくなるだろう。そうなれば、おそらく放置することになるが、いくら進行が遅いといえども、放置した場合は取り返しのつかないことになる可能性がある。

 

手術した場合のデメリットは首元に傷跡が残ること、声が掠れる可能性があること、甲状腺の機能が低下し一生ホルモン剤を飲まなければならない可能性があること、などが挙げられる。

 

一通りの説明の後、先生から「転移の有無を確認するために、後日造影剤CTを撮る必要がある。検査結果を伝える時に手術をするかしないか、答えを伝えてほしい」と言われました。CTの予約が取れたのは1ヶ月後の7月中旬の日程でした。

 

  • 手術を受けるかどうか

最終的に、手術を受けると決めた理由は3つあります。

 

1つ目は先生の言う通り、私は絶対に経過観察をサボるに違いないと思ったからです。


2つ目は良性か悪性か分からないまま放置するのが嫌だったからです。

 

3つ目は私が新入社員だからです。

手術にはまとまった休みが必要だから、休んでも周囲への仕事の影響が少ない若手のうちに済ませた方が良いだろうと考えました。

 

以上の理由から、先延ばしせずに手術を受けることにしました。

 

しかし、見えやすい位置に傷が残るのはどうしても気になるので、手術の実績が多い病院で縫ってもらった方が良いのではないかと考えました。

そのため、その旨を先生に相談し、日本で最も症例数の多い都内の甲状腺の専門病院へ紹介状を書いてもらうことにしました。

(後編に続きます)

甲状腺の手術までに10ヶ月かかった話(前編)【甲状腺濾胞性腫瘍】

私は20代半ばの会社員で、1週間前に内視鏡を用いた甲状腺の半摘出手術を受けました。

手術までに色々なことに悩み、結果的に最初の診断から手術までに4医療機関・10ヶ月を経るという遠回りをしてしまったので、その反省や経緯をまとめてみました。ブログ初心者で読みづらいところも多々あるかと思いますが、ご容赦ください。

 

注意:以下はあくまで素人の雑談なので専門的な情報は然るべきソースから入手してください。

 

【この記事が参考になるかもしれない人】

健康診断で要精密検査と言われた人

甲状腺に腫瘍が見つかった人

 

【結論:反省点まとめ】

1.健康診断で要精密検査と言われたら結果が届くのを待たずに受診する(前編)

2.受診時は専門のクリニックを選ぶ(中編)

3.手術等で懸念があれば先生に積極的に聞く(後編)

 

【記事概要】

前編→腫瘍が見つかるまで(1軒目)

中編→手術の提案(2軒目)

後編→病院選び(3・4軒目)

の流れで更新します。

時系列としては下図のような感じです

(手描きなので読みづらく、すみません)

受診時系列

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【前編:腫瘍が見つかるまで】

  • きっかけ(5月頭・健康診断)

私の腫瘍が見つかったのは昨年5月頭に受けた、会社の新入社員向け健康診断でした。

問診の際に「甲状腺が腫れているようだ。今までに甲状腺が大きいと言われたことがないなら、受診してもいいかもしれない」と指摘されたのが始まりです。

それまで甲状腺が大きいと言われたことは全く無かったため、結果が届いたら受診しようと考えました。

健康診断まで自覚症状は全くありませんでした。

 

 

  • 1軒目(6月頭-中旬・近所の内科)

1ヶ月後、健康診断結果が届いたので、あまり深く考えずに近所の内科を受診しました。

甲状腺ホルモンの値を測るための採血を行い、数日後に血液検査の結果を聞いた上で、超音波診断装置で甲状腺を検査することになりました。

 

超音波で見た結果、左葉に2.5cmの腫瘍が見つかりました。

そのため、クリニックの先生から「詳細な検査が必要なので、別の病院に紹介状を書く」と言われました。

希望する病院の有無を聞かれましたが、4月に上京したばかりで何も分からず、

とりあえず近所の総合病院を紹介してもらいました。

 

 

この時点での反省点は健康診断の結果を1ヶ月待ったことです。

私は血液検査など他の検査の情報も必要かと考え、郵送されるのを待ちましたが

必要な検査が他に追加されるので、結果的に待つ必要はありませんでした。

(中編に続きます)